甲状腺疾患
甲状腺はくびの前にある蝶が羽をひろげたような形をした臓器です。正常な大きさではその形が分からない程度です。
甲状腺の役割は、甲状腺ホルモンを血液中に分泌しています。この甲状腺ホルモンはさまざまな臓器に作用することで細胞の活動を活発にしています。もし甲状腺ホルモンが多すぎると、動悸や体重減少、いらいらなどの症状が起こり、甲状腺ホルモンが少なすぎるとむくみや徐脈、体重増加、無気力感などの症状がおこります。
甲状腺は、私たちの体を健康に保つように働いている大事な臓器です。
甲状腺の病気の気づき方は以下のものがあります。
甲状腺ホルモン過剰または不足による症状
甲状腺ホルモンの過剰分泌
甲状腺機能亢進症、 バセドウ病、 無痛性甲状腺炎 |
暑がりや汗をかきやすくなる、脈が速くなる、体重が減っていく、手が震える、イライラ・せかせかしやすくなるといった症状があります。 放置してしまうと、心臓に負担がかかり、不整脈(心房細動など)や心不全を引き起こす可能性があります。 |
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甲状腺ホルモン分泌不足
橋本病、 慢性甲状腺炎など |
脈が遅くなる、皮膚が乾燥する、寒がりになる、体重が増える、むくみやすくなる、無気力感があるなどの症状があります。 コレステロールも高くなり、動脈硬化が進みやすくなります。放置してしまうと、心不全を引き起こす可能性があります。 |
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まずは気になる方は血液検査でホルモン値を知ることができます。ご相談ください。
首の前が痛む
甲状腺にウイルス感染が起きると、首の前が痛むことがあります。
感染により一時的に甲状腺ホルモンが過剰分泌され、動悸、発汗が起きる場合があります。これを亜急性甲状腺炎とよびます。
発熱と首の前の痛みがあれば相談ください。
ただし、甲状腺は首の皮膚の真下にあるため、「のどの痛み」や「咳がでる」「飲み込みづらさ」は症状としてはでませんのでご注意ください。
大きさやしこりを触れた
- 甲状腺が腫れた。首の前が腫れていると指摘された
- 健診を受けたら医師に甲状腺が大きいと言われた
- 首の超音波検査で甲状腺にできもの(しこり)があると言われた
甲状腺が大きい場合は、甲状腺に炎症が起こり腫大している場合と甲状腺に結節(腫瘤、嚢胞など)ができている場合があります。
当院では甲状腺の超音波検査を行っています。また結節の大きさによっては病理検査(穿刺吸引細胞診:FNA)も行っています。
ご相談ください。
下垂体疾患
大脳の底の部分にある下垂体(脳下垂体ともいいます)からは、以下のホルモンなどが分泌されています。
- 成長ホルモン(主に子どもにおいて成長を促すホルモン)
- 抗利尿ホルモン(尿を濃縮するホルモン)
- 甲状腺・副腎・性腺の刺激を促す各刺激ホルモン
- 乳汁分泌ホルモン
それぞれのホルモンが過剰に分泌する病気や、分泌が不足しして起こる病気があります。原因は腫瘍や炎症などです。
副腎疾患
両方の腰のあたりにある腎臓の上に、ちょこんと乗っている小さな副腎という臓器からは、ストレスから体を守る役目をしているホルモンや、塩分を体に溜め込む働きをしているホルモンが分泌されます。
ホルモンの分泌が不足する病気(アジソン病など)や、過剰分泌が起こったりする病気(クッシング症候群、アルドステロン症、褐色細胞腫など)があります。